ファッション雑誌って、
結論:服はこれぐらい揃えるのが理想!みたいな、
服を買い続けたその先に見える、ゴール的な事をなかなか教えてはくれないじゃないですか。
イチ消費者の私から見て、”敢えてその話題を避けている”ように映るんですが、これって何故なんでしょうか?
これまで洋服に数百万円のお金を費やした経験のある私(笑)が断言しますが、
洋服と賢く付き合って、人生において末永く楽しみたいのであれば、
まずは服を手あたり次第買うのではなく、最終的なゴール(目標)を見ようとする事。
最初は分からなくてもいいので、『自分の生活には、何をどれぐらい揃えるべきなのか?』
これを早期に検討し始めるべきだと思うんです。
ファッション誌の特徴
ファッション誌全般に言えることだと思いますが、
- こういう新商品が出ますよ
- この商品はこんなこだわりが詰まってますよ
っていうアイテム単体の考察や、
- こういう着こなしが今っぽいよ
- こういう着こなしがモテるよ
ってなコーディネート単位の考察が殆どをしめており、それ以上先には何故だか進みたがりません。
その先は現状、消費者任せとなっています。
しかしながら、消費者には、その先がありますよね。
そう。それがワードローブです。
本当にその人のおしゃれ感を成熟させるサポートをしたいなら、
- 人生で起こりうるTPO、その時々の服装を網羅したワードローブの全貌
- TPOを踏まえた、最低限必要になる服の枚数の基準を示す
- 具体的な予算はいくらか?節約する手段はないのか?
等々、こういう情報が欠かせないと私は思います。
ではなぜ、ファッション誌はワードローブ単位の考察を全く落とそうとしないのか?
”ライフスタイル提案型~”と言いつつ、グルメ情報を加えただけの構成で、
ファッションを俯瞰で捉えた話題が絶望的に少ないのは何故か?
これらの事は、見ている側の人間から言わせると、
”圧倒的、リアリティー不足”
と感じる要因となり、雑誌の売り上げ不振の元を作ってるんじゃないか?って思うわけです。
雑誌の意義が、”お洒落になりたい人達のニーズ”に応える事なら、リアルなワードローブの話題って欠かせないと思うんですけどね。
という事で、今日は私なりのワードローブ考察の意義について、書いてみたいと思います。
雑誌は何故ゴールを示さないのか?
あくまで雑誌業界の内情を知らない、一個人の予想に過ぎませんが、
予想その1.
『浅い情報(トレンド情報など)しか求められていない』から
予想その2.
ワードローブの中身は人によって違い過ぎるから
予想その3.
リアルな話題により、結果として服が売れ辛くなると思っているから
対する私の考え
予想その1.について
”『浅い情報(トレンド情報など)しか求められていない』から”
概ね理解できるが、トレンド情報だけではお洒落にはなれないのも事実。
読者の多くがトレンド情報や、新商品情報を求めている事は理解できますし、そこに雑誌の存在理由があるんだろう。というのも分かります。
私は以前(値段が高めな)セレクトショップで販売員として働いていた事があり、その時の経験から服を趣味としている人達が実際のところ、とても少数である。という現実を知っています。
それまで自分自身の価値観(洋服が人生の9割を占めているような状態)しか知らなかった当時の私にとって、とてもショックな事でしたが、実際に働いてみるまで私は、服に命を懸けているような『服好き』が世の中に沢山いると思っていたんです。でも実際は違っていて、多くの人にとっての洋服は『趣味』ではなく、『ツール』でしかありませんでした。
当時の私は完全に服オタク。それに対して殆どの人は、グルメや旅行、子育て等、複数の娯楽の中からその時々に選択をしつつ服を買います。必然的に10割洋服に突っ込めるような『オタク』とは事情が全く違い、予算も少なければ、優先順位も低いのが現実。
そもそも服について真面目に考えるようなこともほとんどしないから、過去に買った洋服がどれだけ散乱して無駄になってようが、たかが数千円で買った服。気にも留めないかもしれません。当然雑誌に求める情報も服好きとは違った視点になるでしょう。
予想その2.について
”ワードローブの中身は人によって違い過ぎるから”
全く違うワードローブでも参考になる事はあるし、普通は見れない事だから雑誌が扱う意味もある。
収入も生き方も違う他人のワードローブを見たって参考になるか!って意見も認めますが、少なくとも娯楽としては成り立つんじゃないでしょうか?それに、本当におしゃれな人は”所持枚数”にもこだわりを持ってるはずです。
どんなにカッコいい、かわいいコーディネートが出来ようが、ワードローブ(クローゼット)がごちゃってたり、着ないもので溢れていたら、それは、未だおしゃれの価値観が未成熟だって事だと私は思うんですよね。
予想その3.について
リアルな話題により、結果として服が売れ辛くなると思っているから
短期的には洋服のバカ買いが減るかもしれないが、長期的にはファッションが成熟する事に繋がる
何が何枚必要って基準を明確にした場合、それ以降は買い替え以外『買わなくていい』って言ってるようなもんなので、
アパレルメーカーの目がある以上中々言いにくいのは分かります。でも、そこをちゃんと伝えていかないと日本人のお洒落レベルって上がっていかないと思うんですよ。
例えば、
スーツスタイル発祥の国イギリスでは、良い靴を履く価値であったり、ネクタイの巻き方、スーツの着こなし方を親や祖父母から教わる。という話を聞いたことがあります。そうしてイギリスの核を保っているわけです。
ベストセラーとなった”フランス人は10着しか服を持たない”においても、パリジャン達の少ない服でも胸を張る気質や、少数の良いものをしっかり愛す、こだわりを持って服と向き合う。というような姿勢が描かれていました。
フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質"を高める秘訣~
人間、目標があった方が行動しやすいと思うんですよね。
ファッション雑誌にはお世話になった
最近でこそあまり『雑誌』を読まなくなりましたが、若い頃や、まだ服の事をよく分かってない時期には、田舎で育った事もあってか、とにかくファッション雑誌をめちゃくちゃ読みました。
中でも、
- ブランドの名前
- デザイナーの見た目や、ファッション観
- 東京(原宿、青山等)のショップ情報
- 流行りの着こなし
- 経年変化のサンプル
これらに関しては、雑誌で学ぶ事も多かったですし、一つの大事なツールでした。
その時は疑問に思わなかった、服を買い続けたその先のコトも、
30歳になってようやくつかみ始めた気がしますし、これも沢山洋服を買ったからわかったともいえるのですが、
もし20歳の時に知っていたら違っていたかも。とも思います。
雑誌はこれからも、新商品の情報とトレンド的な着こなしにフォーカスし続ける事でしょう。
私は個人のブログを駆使して、洋服を点や線で見るのではなく、面で捉える必要性がある事をこれからも主張していこうと思います。