これでこのテーマもラストです。お気に入りの経年変化アイテムの紹介と、それに伴い服を長く着る方法の考察。Pt.3参りましょう。
第5位、第4位はこちらから↓
第3位、特別賞はこちらから↓
それでは早速、続きの第2位から。
第2位:ALDENのコードバンシューズ
近年、職人の老齢化や原材料となる皮革が希少化しているせいで、供給が追い付いていないと噂されているALDEN(オールデン)。
スーツ同様、ドレスシューズの本場は紛れもなくイギリスだが、そのノーサンプトン生まれのシューメーカーに匹敵する人気を持つのが、アメリカ生まれのALDENだ。
ALDENの人気の秘訣は何と言ってもその看板となっている”コードバンレザー”だろう。馬の臀部からわずかにしか取れない(全く取れない場合もあるらしい)と言われる超希少な革(コードバン)は、磨き上げる事で、独特の濡れたような光沢を見せてくれる。カーフ等でもシューワックスでポリッシング(鏡面磨き)する事で、つま先や、かかとをテカテカに光らせる事は可能だが、コードバンにはカーフに出せない”深い立体感のあるしわ”という第2の矢まで備えている。シワ入れといってボールペンなんかでシワの入る位置を工夫する人がいるぐらい、靴好き、革好きにはたまらないレザーがコードバンだ。
特にワックスは載せてませんがこの光沢。新品から、7~8年愛用してます。
作為的なシワ入れは行っていませんが、左右の革でシワの入り方も光沢感も違います。
同じコードバンでも似て非なる物だという事が分かります。
この立体的なシワはコードバンならではですね。
NEW ENGLANDはアメリカの地名です。(イギリスって意味ではありません)
手書きで製造番号が振ってありますね。
削れやすい、つま先は金属のプレートで補強して、オールソール交換を遅らせる工夫をしています。
確かユニオンワークスさんで加工していただきました。
クロスバイク(自転車)のペダルが尖った金属なのでソールの踏まず部分が削れて色がついています。
フルブローグ、ウイングチップと呼ばれるデザインです。
ラスト(木型=靴の形)は土踏まずを大きくえぐってシェイプさせたモディファイドラスト。
ALDENが足の悪い方向けに靴を開発した時期の名残のラストらしいです。
第1位:インディゴデニムパンツと ウォバッシュストライプのワイドパンツ
私の中での経年変化第1位は、私の服ではなく”私が昔、父にゆずった服”です。
確か服屋を辞めた時だったと思いますが、持っていた服を友人に譲ったり、古着屋に売ったりしていた中で、
特にヘヴィーデューティーなアイテムは肉体労働をしている父親に譲ったことがありました。
今回、この記事を書くにあたって改めて見に周りの洋服を眺めたのですが、やはりブルーカラーの父が着ている”ワークウェアー”には適いませんでした笑
1本目はWABASH STRIPE(ウォバッシュストライプ)と言って、
抜染プリントという現代では稀な手法で生地に模様を与えた素材のワークパンツです。
私が買った時は未加工の商品だった為、純粋に使っていく過程でこの様に色が落ちたり、汚れたり、生地が薄くなったりしたわけです。
勿論おやっさんには洗濯についてなど何も言っていないので、洋服に100%無頓着なオヤジは超適当に扱っていた事は間違いないです。
ひざは擦れて破けてきてますね。早めにリペアすればまだまだ長く履けるかもしれないので、
今度、家のミシンでリペアしてみようと思います。
2本目はインディゴ染めの14oz程の厚手のデニムを使用したワークパンツです。
親父は夏はハーフパンツで仕事してるので、真夏以外に着用してるみたいですね。
(ちなみに大工です)
サンフォライズド加工と言って、デニムパンツがファッション的に履かれるようになってからは防縮加工をしたデニム生地が一般的になったわけですが、このデニムはそのような加工を施していない昔ながらの織機で織りあげている為、デニムの脇線が大きく捻じれています。
私が普段はいているA.P.C.のデニム素材よりもはるかにカッコいい色落ちをしてますね。
私はA.P.C.のマットなデニムよりも、こういうデニムが好きです。
単糸環縫いミシンという特殊なミシンで裾を仕上げている為、デニムが縮む際にパッカリング(生地の波打ち)が起こり、良い雰囲気の色落ち、ダメージが起こります。ユニオンスペシャルというミシンが有名ですね。いわゆるチェーン仕上げですね。
ミミは赤じゃなくってピンクミミですね。
生地の裏から観察すると良く分かりますが、ひざが薄くなって破れかかっています。この辺は加工ジーンズでは再現できないポイントですね。
ハサミでチョキってやったようなダメージデニムはかっこ悪いですからね。
という事で、第1位は親父にあげた”デニム”でした。
以上です。それではまた。
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